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パブリケーション関連2025.07.30
クライオマイクロCTにおける緩慢凍結コントラスト強調法に関する論文が公開されました。
Scientific Reprotsで
Fine visualization of biological cells using X-ray micro-CT with the slow freezing contrast improved method
と題する論文が2025/7/29に公開されました。
https://doi.org/10.1038/s41598-025-09070-3
本論文では、果物をゆっくり凍結させることによる溶質(糖)の凝集を利用して、無造影で高感度な非破壊3次元計測を実現しています。本法によりメロン、ブドウ、みかんなどこれまで観察が難しかった果実内部の細胞を高精細に可視化できるようになりました。また、形成される縞模様が溶質の濃度に依存することを利用して、個々の細胞の糖度も計測可能なことを示しました。さらにホルマリン固定した動物組織でもホルムアルデヒドの凝集により、微細な構造を無造影で可視化できることを示しました。
従来のX線CTとクライオを組み合わせるだけで、本コントラスト強調は実現可能ですので、今後大きな展開が期待されます。