X-ray imaging using SR

X-ray microscopy

空間分解能が数ミクロン以下のレントゲンやX線CTは、X線顕微鏡或いはマイクロCTという名前でも呼ばれています。本法は、大きく図1の3種類に分類することができます。図1 X線顕微鏡の種類と特徴


最もシンプルな方法は平行ビーム照射型で、サンプルとX線カメラをできるだけ近づけてボケを小さくし、ミクロンオーダーの高い分解能はX線カメラで確保する方法です。X線光学素子が不要なために、X線強度のロスが少なく、かつ視野も比較的広いことが特徴です。このため、サイズがmmオーダーのサンプルの観察に適しています。当センターでも、独自のX線顕微カメラ(Kenvy 2)を開発し[1]、この方法を中心として開発を進めています[2](図2)。

図2 SAGA LS BL07におけるマイクロCTの模式図

走査型X線顕微鏡は、全反射ミラーやフレネルゾーンプレート(FZP)などの集光光学素子を用いてミクロン以下に集光したX線を、サンプル上で走査し、各照射点における各種物性を計測する方法です。X線をプローブとするほとんどの計測手法を適用することが可能で、蛍光X線による元素分析、回折X線による結晶性評価、吸収端を利用した化学状態分析などを行うことができます。当センターでは、白色X線を利用することでX線強度を確保し、実用的な計測時間のX線顕微鏡の実現を目指しています[3](図3)。


図3 SAGA LS BL07における走査型蛍光X線顕微鏡の模式図


結像型X線顕微鏡は、X線集光素子を用いてサンプルを透過したX線を拡大して、後段のX線カメラで検出する方法です。平行ビーム照射型に似ていますが、集光素子を利用する分だけ空間分解能が高く、100 nmを切る分解能で観察を行うことが可能です。ただし、非常に強いX線に加えて、長いカメラ長が必要なことから、当センターでは本形式の顕微鏡の開発を当面見送る予定です。


[1] Yoneyama, A., et al. (2021). "Quantitative analysis of the physical properties of CsI, GAGG, LuAG, CWO, YAG, BGO, and GOS scintillators using 10-, 20- and 34-keV monochromated synchrotron radiation." Optical Materials Express 11(2): 398.


[2] Yoneyama, A., et al. (2016). "Development of high-resolution x-ray CT system using parallel beam geometry." AIP Conference Proceedings, 1696.

    

[3] Yoneyama, A. and M. Kawamoto (2020). "Development of scanning X-ray fluorescence microscope using KB mirror and white synchrotron radiation at SAGA Light Source." Journal of Instrumentation 15(12): 12029.